娘の卒業式の祝辞を頼まれた。ついこの間小学校に入学して、式では緊張して泣いてたっていうのに本当に早いもんだ。
幼稚園では毎日ゴキゲンで通園してたってのに、小学校に上がるときに校区の関係で仲良しの友達と離れ離れになっちゃったんだよな。今までは私立のバス通園だったから、家からはかなり離れた幼稚園に通えたけど、公立ではそうもいかない。知らない同級生ばかりで不安で仕方がなかったんだろう。
その後なんとか仲の良い友達にも恵まれたが、下校中に交通事故にあったり、病気で入院したりと、本当に大変なことが多かった6年間だった。でもお前はそれらを全部乗り越えて頑張ってきたんだよな。
校長先生もそんなお前のことを数ある生徒の中でも気にかけてくれ、オレの心中を察してPTA会長でもなんでもないこのオレに、祝辞を読むなんて大役を頼んで下さったんだ。
入学式の時は一番前だった背たけも今では立派に伸びて、中学に入ったらバスケットボールをやるんだっていうくらいに背が高くなった。
親のオレの目から見てもなかなか可愛い顔だし、彼氏もすぐ出来ちゃうんじゃないだろうか。
そしていつか結婚式の披露宴で来賓の方々の祝辞を聞いて、友達からの温かいスピーチも…あ、ちくしょう、涙が出てきやがった。今からコレじゃいかん。まずは卒業式だ。結婚式はまだまだ先、いや、ずっとずっと先のことだ!

